セルの参照をする際に「=A1」のように記述するが、これを「相対参照」という。 一方「=$A$1」のように列と行の前に「$」を記述している場合、これを「絶対参照」という。 また「$A1」「A$1」のように片方だけ絶対参照になっている場合、これを「複合参照」という。
普段は相対参照を使うことが多いが、これらの記述方式でどのような違いがあるか説明する。
まずはよく使う相対参照の例。
各セルにひらがなが入力されている。赤文字は実際に入力しているわけではなく、セルの座標を示すために貼ったオブジェクトである。
F1のセルに「=A1」と入力しており、A1の値「あ」が表示されている。 このF1のセルを↓方向と→方向にドラッグした結果が以下である。
結果は容易に想像できると思うが、↓方向にドラッグしたセルは行の参照値が変わっており、→方向にドラッグしたセルは列の参照値が変わっている。 このようにセルの参照値が絶対的ではないため、相対参照という。
次は絶対参照の例。
F1のセルに「=$A$1」と入力しており、A1の値「あ」が表示されている。 このF1のセルを↓方向と→方向にドラッグした結果が以下である。
参照値の列と行の前に「$」を付けると参照値が絶対的なものとなり、ドラッグしても参照値は変わらない。参照値が変わらないため、絶対参照という。
次は複合参照の例。列だけ「$」が付いているケースである。
F1のセルに「=$A1」と入力しており、A1の値「あ」が表示されている。 このF1のセルを↓方向と→方向にドラッグした結果が以下である。
列の参照値だけが絶対的なものとなるため、ドラッグしても列の参照値は変わらず、行の参照値だけ変わっている。 絶対参照と相対参照が混在しているため、複合参照という。
次も複合参照の例。今度は行だけ「$」が付いているケースである。
F1のセルに「=A$1」と入力しており、A1の値「あ」が表示されている。 このF1のセルを↓方向と→方向にドラッグした結果が以下である。
前述の列の場合と逆の挙動となる。 行の参照値だけが絶対的なものとなるため、ドラッグしても行の参照値は変わらず、列の参照値だけ変わっている。